恭仁京跡の3D計測を実施 ― “幻の都”恭仁京の全貌を、デジタルで描き出す ―


恭仁京3D化データ

奈良時代の一時期、聖武天皇(701~756)によって都が置かれた「恭仁京(くにきょう)」は、現在の京都府木津川市に位置し、わずか数年で廃都となった“幻の都”として知られています。発掘調査によって条坊制の痕跡や大極殿跡などが確認されており、平城京・平安京に先行する都城構造の理解にとって重要な遺跡です。

2025年10月27日、京都府教育委員会は、恭仁宮の内裏東地区で新たな建物跡が見つかったと発表しました。
聖武天皇や太上天皇(退位した天皇)が居住したとされる区画で、正殿の南東側から柱穴が三つ検出され、南北約6メートルの建物が建っていたと推定されています。恭仁宮期の建物跡が正殿・後殿以外で確認されたのは内裏東地区では初めてであり、短期間の都でありながら本格的な造営が進められていたことを示す貴重な成果です。

この発表を受けて翌28日、弊社は京都府と同志社大学との包括的連携協定に基づき、恭仁京跡の3D計測を技術協力として実施しました。
現地にて高精度3Dスキャンを行い、遺構の形状や地形の微細な高低差を立体的に記録。これにより、今回の発掘成果を含めた恭仁宮域全体の構造を、デジタル空間上で統合的に解析・共有する基盤が整いました。

弊社は今後も京都府および同志社大学と連携し、恭仁京跡の継続的な探査・3D計測・データ可視化に協力してまいります。
デジタル技術を活かし、古代都城の姿を未来へと継承する取り組みを推進していきます。

※参考:
聖武天皇造営の「幻の都」に新たな建物跡 京都・木津川の恭仁宮跡(朝日新聞デジタル/2025年10月27日)


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