鴻池新田会所(国史跡・国重要文化財)VR


大和川付け替えと豪商・鴻池家の旧跡

大阪平野がまた海だったおよそ7千年前の縄文時代、湾に突き出た半島となっていた上町大地の東側、現在の河内平野は河内湾と呼ばれる海でした。そこへ、北から淀川、南から大和川が流れ込み、徐々に土砂が堆積し、1800〜1600年ほど前に、河内湖になったと考えられています。

大和川が運ぶ土砂は肥沃で農業に適しており、河内湖は、長い年月をかけて河内平野へと徐々に変貌を遂げますが、もともと低湿地帯であることに加え、農地化と流域人口の増加により、定期的に発生する大和川の氾濫とその治水対策が大きな課題となります。

その抜本的対策として長く検討された大和川付け替え工事は、江戸時代に入り幕府よりようやく許可され、1704(宝永元)年に約8ヶ月という異例のスピードで竣工。それ以後、旧川筋などで大規模な新田開発が進みます。これら新田では主に綿が栽培され、河内を代表する名産品「河内木綿」が生まれました。

鴻池新田はこうした新田の中で最大と言われ、豪商・鴻池の三代目、善右衛門宗利により1705(宝永2)年から開発され、会所はその管理を行う事務所の役割を持つもので、新田開発着工の翌年に着工、1707(宝永4)年に完成しました。

江戸前期の新田開発と豪商による管理を今に伝える貴重な遺構として、敷地は国の史跡、建物は国重要文化財に指定されています。同会所は、東大阪市の委託を受けた、公益財団法人東大阪市文化振興協会の管理により長らく一般公開されていましたが、耐震工事の実施に伴い、2023(令和5)年3月31日をもって休館されました。

休館で劣化が進まないか。休館前に、会所の現状をデジタル保存できないか──本3Dコンテンツは、そんな関係者の強い意向に応じるべく制作したものです。

後世に継承が望まれる建造物も、永遠に現状のまま残るという保証はありません。定期的な状態を情報として保存することは非常に大切であり、弊社のデジタル技術がそれに少しでも寄与すればと考えています。

JR学研都市線の駅名にもなり、大阪市のベッドタウンとして栄える「鴻池新田」。地域の歴史を体現し、また、住民の誇り、心の拠り所ともなっている鴻池新田会所のリニューアルオープンが待ち遠しいところです。

【参考】
・大和川付替え300周年記念事業HP (https://www.kkr.mlit.go.jp/yamato/about/yamato300/index.html)※記念事業は終了
・東大阪市HP「鴻池新田会所」(https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000003597.html
・公益財団法人東大阪市文化振興協会Facebook(https://www.facebook.com/konoikeshinden/?locale=ja_JP)※現在は解散

3D化対象案件鴻池新田会所(国重要文化財)
制作・開発期間2023年2月~2023年5月
デモ公開URLhttps://my.matterport.com/show/?m=oZtVRpdNJjS

制作・開発の模様


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