《XRを応用した次世代の教育推進》
文化、社会資源のVRコンテンツ制作を担う弊社は、大学発ベンチャーの強みを生かし、その専門的知識と調査・研究経験を未来に接続する目的で、XRを応用した教育事業を展開しています。現在、岐阜県羽島市教育委員会と同市内の小・中学校と連携し、VRコンテンツの体験やICT教育プログラムのコンサルティング、児童・生徒の3D計測実習とVRミュージアム作成など、子供たちが先端技術に触れられる授業を実施しています。
VR修学旅行は、コロナ禍で修学旅行がなくなってしまった市内の中学校3年生を対象に、広島県の宮島(厳島神社と参道)のツアーVR映像を提供しました。文化遺産と観光資源の専門的知見を加え、VR360およびVR180映像撮影を現地で実施し、それらをツアーVRコンテンツとして編集、ガイダンス音声を合成して修学に最適化した映像コンテンツ(3DoF:3 Degree of Freedom映像)としました。
遺跡VRコンテンツ体験は、市内の小学校高学年生を対象に実施しました。ICT教育が重要視される現在、特に社会科に関するICT教材が他の科目と比較して脆弱であると言われています。算数の図解や理科の実験映像や構造の可視化、英語のネイティブや国語の多言語翻訳などと異なり、社会科では従来型の「歴史まんが」がデジタル書籍として教材となっているにすぎません。羽島市教育委員会と弊社では、こうした状況をなんとか打開する手立てとして、遺跡VRコンテンツ(6DoF)の応用を進めています。修学旅行の事前学習として奈良県明日香村の高松塚古墳コンテンツや石舞台古墳コンテンツを子供たち体験してもらい、現地での学びをより深いものにしてもらう手助けをしました。
3D計測、VRミュージアム展示は、同じく市内の小学校高学年生を対象として実施しました。VRコンテンツがどのような仕組みで作成されるのかについて総合学習の授業で学び、生徒のICTデバイスを自ら用いて「3Dで展示してみたいもの」を計測、3Dデータ化、Web3D表示、までを行いました。クラスの友達どうしで作品を比べ合ったり、うまく計測できた生徒に計測方法をお互い教え合ったり、3DデータやVRの仕組みを学ぶだけでなく、対象を観察力、アナログ-デジタル変換に対する感覚力などを学んでもらいました。